Going Faraway

渡辺遼遠の雑記帳。技術ネタと読んだ本の紹介。

未使用の割り箸を「本」で数えることは、完全な誤用とは言えない

コンビニの店員が、割り箸を「本」で数えたことに対して苦言を呈するブログ記事が話題となっています。

「お箸は何本、お付けしましょうか?」

先日、コンビニで買い物をしたあと、若い女性の店員さんにこう尋ねられて、一瞬迷った。
本数で迷ったわけではなくて、「箸の数え方について」。
僕は、箸の数え方が「一膳、二膳」であることを知っている。
しかし、この店員さんに対して、これみよがしに「二膳お願いします」というのも、なんだかちょっと嫌味だなあ、とか思って。

 

「お箸は何本、お付けしましょうか?」- いつか電池がきれるまで

http://fujipon.hatenablog.com/entry/2013/12/19/181202

私自身は、箸の数え方が「膳」であると知っている一方で、割り箸を「本」で数えることに対してもあまり違和感を感じなかったため、少し調べてみました。

私が物の数え方に悩んだ際に参照する「数え方の辞典」では、「箸」の項目でこう記述されています。

本、膳(ぜん)、揃(そろ)い、組(くみ)、具(ぐ)

"箸2本で「1膳」「ひと揃い」と数えます。火箸・菜箸は食事用ではないので「膳」では数えず、2本で「ひと揃い」「ひと組」「1具」といいます。割り箸は「膳」で数えますが、未使用のものは「本」でも数えます。"

『数え方の辞典』

このように、日本語の専門家による辞典によっても、未使用の割り箸が「本」で数えられる場合があると指摘されています。

もちろん、辞典の記述が数え方を定義する訳ではありません。どんな状態だろうと割り箸は「膳」で数えるべきだ、と感じる人も居ることでしょう。しかし、これは私自身の印象でしかありませんが、割り箸は割られるまでは単なる一”本”の細長い棒であり、2本の棒が組み合さって始めて有用な使い方ができる「箸」だとは認識されていないため、未使用の割り箸を「本」で数えることは必ずしも誤用であるとは言い切れないのではないかと思います。

根本的には、「『膳』だろうと『本』だろうと、言いたいことは伝わるからいいじゃん」というだけのつまらない話なのですが、日本語に関する知識がお手軽に他人を貶めるツールとして使われているのは、非常に残念だと思います。

数え方の辞典

数え方の辞典

 

 

本論とは全く関係ありませんが、「数え方の辞典」はとても良い辞典です。インフラ系SEとして、ドキュメントや提案書などを書かなければいけない状況が頻繁にあり、物の数え方で悩むことがあるため、その際にはよくこの辞典を引いています。

たとえば、「工場」や「ブラウザ」の数え方を即答できるでしょうか。

(ちなみに、この2つの数え方もちゃんと辞典に掲載されています。)